東日本大震災をきっかけに石巻市では津波避難タワーが設置されました。
津波で被害があった場合でも、1週間暮らせるような様々な備蓄や工夫が施されています。
この記事では津波避難タワーの状況や取り巻く環境についてまとめています。
震災からの復興状況や今後の防災に役立てるためにも、参考にしてみてください。
津波避難タワーの機能とは?仕組みを解説
津波避難タワーの想定利用者は沿岸部の工場や漁業施設で働く人達です。
津波避難タワーは万が一、津波が押し寄せたばあであっても急場をしのげるような設計です。
具体的には、設備内の収容人数は最大で200人となっています。また、最大日数としては最長で1週間程度暮らせるような設備になっています。
食事などの備蓄も豊富に保管されており、1週間暮らすのに足りる料が取り揃えてられています。
津波避難タワーにはトイレも設置されています。さらには、万が一停電になってもいいようにソーラー発電設備も用意されています。
津波避難タワーは、東日本大震災の被害からの教訓を生かした施設になっているのが分かりますね!
津波避難タワーの高さは約14メートル
東日本大震災の時、石巻に到達した津波の高さは約5.4メートルもありました。
津波避難タワーは震災による被害を受けないように、高さを約14メートルにしています。
引用:河北新報
地上約11メートルの場所に約130平方メートルの待機室、屋上が14メートルの高さとなっています。
津波避難タワーは静岡や高知、北海道でも
津波避難タワーは、東海地方や四国地方でも導入され始めています。具体的には静岡県や高知県です。
気象庁の発表によると南海トラフ巨大地震が発生すると、静岡県から宮崎県にかけて震度7~震度6の地震が発生すると想定されています。
引用:「気象庁 南海トラフ地震で想定される震度や津波の高さ」より
津波避難ターは、東日本大震災の被害を受けて設置されることとなりましたが、その経験が新たに南海トラフ巨大地震の対策にも活かされようとしています。
津波避難タワーは石巻に4基ある!
番号 | 名称 | 収容可能人数 | 住所 |
第1号 | 大宮町津波避難タワー(供用開始日:平成27年3月27日) | 214人 | 石巻市大宮町3番15号 |
第2号 | 魚町一丁目津波避難タワー(供用開始日:平成27年12月15日) | 214人 | 石巻市魚町一丁目3番地7 |
第3号 | 魚町三丁目津波避難タワー(供用開始日:平成27年12月15日) | 214人 | 石巻市魚町三丁目6番地1 |
第4号 | 西浜町津波避難タワー(供用開始日:平成28年3月24日) | 214人 | 石巻市西浜町1番地2 |
津波避難タワーは、石巻エリアには全部で4基あります。
津波が発生した場合には、浸水域外への避難が原則です。しかしながら、遅れてしまった場合には安全を確保するための施設への避難をすることになります。
石巻には4基があることから、いざという時に一時避難をするように確認してみてください。
避難タワーに関する3つの問題点とは?
津波避難タワーは東日本大震災の教訓を生かして、設置されました。
しかし、順風満帆ということでもなく、3つの課題が認識されはじめました。
ここでは、その3つの課題を紹介していきます。今後、うまく活用するためにも参考にしてみてください。
1:被災時の利用者が少ない
まずはじめに、被災時の利用者が少ないという点です。
地震発生時の際の緊急避難場所として建てた肝心の避難タワーですが、震災の時の利用者が少ないのが課題とされています。
2022年3月16日(23時26分)に発生した福島県沖地震はマグニチュードが7.4でした。
石巻市では、23時39分に津波警報が発令されました。
震度6の地震があった際には津波警報発令されましたが、津波避難タワーへ避難した人は1人もいなかったそうです。
結局のところ、利用者がいないのに津波避難タワーは本当に必要なのかどうかという声が上がっているのも事実です。
2:補助金はあるが、費用が非常に高い
津波避難タワーは1基設置するのにコストが高いというのも課題の1つです。
津波避難タワーは設置するのに1基あたり2億円~2.5億円かかるそうです。補助金で総額のうち3分の2が賄われるそうですが、残りは市の財政から拠出することになります。
2022年3月の福島県沖地震での利用者が0人だった津波避難タワーに数億円もかける必要があるのかということも課題として認識されています。
津波は忘れたころに、予想外にきます。「まさか来るとは思わなかった」となることが多いので必要なことには変わりないですね。
特に沿岸部に住む場合、いざという時のために津波避難タワーの場所は把握しておきたいですね!
3:あまり認知されていない
津波避難タワーは被災に詳しい人であれば認知されていますが、石巻以外の県内や市街地に住んでいる人ではそこまで認知がされていないようです。
あまり認知がされていなければ、もしもの時の防災が対策ができないので、認知も必要なところですね。
津波が発生した日、自分自身がたまたまその場にいても対応できるように津波避難タワーに関する知識もどこかにあるといいかもしれませんね!
本記事のまとめ
- 津波避難タワーについて紹介しました。
- 津波避難タワーは東海・四国地域にも導入されていることついて紹介しました。
- 石巻市内に4基ある津波避難タワーの場所を紹介しました。
- 津波避難タワーの3つの問題点について承知いたしました。
はじめに津波避難タワーの機能を紹介しました。約200人が1週間暮らせるほどの本格的な設備が揃っています。
次に津波避難タワーは南海トラフ巨大地震に備えて、東海地域や四国地域でも導入されはじめていることを紹介しました。
次に、石巻に4期設置されている津波避難タワーの概要や地図を紹介しました。事前に確認しておくと、緊急時に役立てていくことができます。
最後に避難タワーに関する3つの課題を紹介してきました。利用者が少なかったり、コストが非常に高いという点がネックとしてあるようです。
この記事を通して、津波避難タワーに対する認知度を高められれば幸いです!
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